隠岐の島では、昔から神事として相撲が行なわれてきました。
現在も「古典相撲」の名で島内に祝い事があったときのみ、全島あげてなんと一昼夜にわたって相撲を取り続けます。
近年では、隠岐の島出身の幕内力士・隠岐の海関の活躍や、古典相撲を題材とした映画『渾身』の製作などと相まって、隠岐の相撲は注目を集めています。
ここでは、特色ある古典相撲についてご紹介していきます。

バナークリックで公式サイトが開きます。

古典相撲は、島内で祝い事、例えば神社の遷宮や学校の開校記念、ダムなどの公共事業の完成などに際して行なわれます。祝い事があった地域を「座元」、それ以外の地域を「寄方」に分けます。これは大相撲で言うところの東西に当たります。

古典相撲においても、大関・関脇・小結の3つの役が座元・寄方それぞれにあります。大関が最高位で、横綱という地位はありません。これら3つの地位のいずれかについた力士は「役力士」と呼ばれます。役力士に選ばれるのは非常に名誉なことで、相撲をしている男性たちにとっての憧れです。
役力士に選ばれるためにはただ相撲が強ければよいというわけではなく、地域にどれだけ貢献しているか、将来指導者として期待できるか、役力士にふさわしい性格か、といった点も考慮されます。さらに運も重要です。古典相撲は最初にお話した通り、慶事があったときのみ開催されます。たとえ役力士にふさわしいと周囲が認める男性であっても、その人の全盛期に古典相撲が開催されるとは限りません。力士の資質もさることながら、運も大きな要素の一つなのです。
役力士に選ばれた人以外にも、隠岐で相撲を取っている男性たちは「割相撲」と呼ばれる取組に出場し、番数は300番にもなります。

隠岐の相撲は2番行なわれ、最初に勝った者は次の1番は相手に勝ちを譲り1勝1敗になるように取組まれます。これは、狭い島内で人間関係にしこりを残さないための配慮であると言われています。このことから、古典相撲は一般に「人情相撲」とも呼ばれますが、実質上の勝者は先勝、つまり1番目の勝負に勝った力士です。

古典相撲では、長さ約5メートルの太い柱が賞品として役力士に授与されます。このことから、古典相撲は「柱相撲」とも呼ばれます。この柱は大会の間は、土俵の周りに立てかけられています。