隠岐の島に到着
8月17日、ついに隠岐の島に到着。
「島といっても、東京と同じように人はそっけないのでは?
インターン先の人と仲良くなったり、一緒にご飯に行ったりするのは難しいかもしれない」
正直、そんな不安を抱えながら来島しました。
でも、そんな考えはすぐに消え去りました。
隠岐の島の人たちは、どこか余裕があって、やわらかくて、温かい。
私がインターンをしたのは隠岐の島町塩の浜海浜公園にある「隠岐ジオパークツアーデスク」という会社で、カヤックやSUP、キャンプ用品の貸し出しやツアーを行う、小さなチーム。社員2人を中心に運営されています。
初日、海洋スポーツセンターの事務所に着くと、たくさんの業務説明があるだろうと緊張していた私に、最初にかけられた言葉は——
「まずは休んでください。疲れたでしょう?」
寝不足でふらふらしていた私には、さらに
「寝て大丈夫ですよ〜! キャンプ用のベッドもありますけど、使いますか?」
とまで声をかけてくださったのです。
「インターン=厳しくて堅い」
そんなイメージを持っていた私にとって、初日から驚きの連続でした。
社員さんたちは、お客さんがいない時間には仮眠をとったり、逆に私たちを島のあちこちへ案内してくれたり。
「やりたいことをやってみてください!」という自由を与えてくれたおかげで、私は大好きな写真を活かし、カヤックやSUPの様子、事務所で販売しているシーグラスアクセサリーの写真を撮影。
もう1人のインターン生は海洋清掃など、自分の興味ある活動に取り組みました。
おかげで、互いに充実したインターンを過ごすことができました。
好きなように「働く」、少し面倒なことは「やりたいときにやる」。
そんな、島ならではの柔らかな働き方を体験できたのです。
シーグラスアクセサリーの商品撮影
この2週間で出会った人たち
隠岐の島で過ごした2週間。
短い時間だったけれど、出会った人の多さはとても贅沢なものでした。
インターン先の社員さん2人、アルバイトのお兄さん、宿の大家さん。
海洋スポーツセンターに出入りしていた優しいおっちゃん、草刈りをしてくれたおじさん。
油井で泊まった宿のお父さん・お母さん、久見で出会った資料館や黒曜石工場の方々、観光協会の方々……。
誰一人として他人行儀ではなく、自然に心を開いて接してくれました。
社員さんは送り迎えを快くしてくださり、大家さんは休日に車を出して島を案内してくれたり、釣りに連れて行ってくれたり。
おっちゃんはアイスを差し入れてくれたり、ふらっとドライブに誘ってくれたり。
アルバイトのお兄さんは夜景を見に連れて行ってくれて、ご飯までご一緒しました。
夜に連れてってもらった時のレーザービーム
忘れられない、8月27日の夜
海洋スポーツセンターで開かれたBBQには、社員さん、アルバイトのお兄さん、大家さん、島留学で戻ってきた人たち、おっちゃん2人……たくさんの人が集まり、にぎやかで温かな時間が流れました。
大家さんが野菜やお肉を切って持ってきてくれて、おっちゃんは横で餃子を焼いて。
誰かが花火を持ってきて、みんなで「合計3つもある!たくさんできる!」と子どものように声を上げました。
笑いながらお肉やサザエ、スイカをお腹いっぱい食べ、夜には海ほたるを見に行き、最後は花火で締めくくり。
夏の夜に広がる笑い声と光景は、きっとずっと忘れられないと思います。
この2週間で交わした会話は、隠岐の歴史や自然の話だけではありません。
IターンやUターンをした方々の人生の選択や想いまで聞かせてもらいました。
「1を聞けば10で返してくれる」ような人ばかりで、話すたびに自分の視野が少しずつ広がっていくのを感じました。
人の優しさに触れ、心が少しずつやわらかくなっていく。
そんな体験ができたのは、隠岐の島町という場所に、温かな人たちが集まっているからだと思います。
BBQの時に同じインターン生との夜空(左が筆者)
最後に
この2週間で、私は第二の地元を見つけることができました。
私と関わり、隠岐の島の良さをたくさん教えてくださった皆さん、本当にありがとうございました。
また必ず帰ってきます。
そのときは、「おかえり」と言ってもらえたら、とても嬉しいです。
これから訪れる人へ
この記事を読んでいる方の多くは、「観光で隠岐の島に行ってみたい」と思っているかもしれません。
「観光だとこんな体験はできない」と感じる人もいるでしょう。
でも、そんなことはありません。
お店の人に声をかければ、気さくに話してくれるし、質問にも優しく答えてくれます。
道ですれ違ったときに挨拶すれば、必ず返してくれるでしょう。
この記事が、あなたの隠岐の島の旅の小さなきっかけになれたら嬉しいです。
ぜひ、隠岐の島に遊びに来てください。
油井の前の洲の夕日