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【しまログ#8】西ノ島の神社特集第3弾

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はじめまして。西ノ島の魅力を発信する「しまログ」です。
西ノ島のことを知っている人にも、これから知る人にも、
「西ノ島の数えきれないほどの魅力を伝えたい」という想いから発足しました。

今回は神社特集第3弾。今回紹介する神社は、天皇と関係したり、無形文化財に指定された芸能が行われたりと、魅力的な歴史が刻み込まれています。各神社を訪れるとともに、西ノ島に伝わる歴史を感じてみませんか。

目次

  1. 黒木神社
  2. 美田八幡宮
  3. 御朱印
  4. 最後に

黒木神社

黒木神社と天皇

西ノ島と歴史的にとってもつながりの深い天皇がいるのをご存じですか。建武の新政でもおなじみの後醍醐天皇です。後醍醐天皇が流刑になり島流しをされたのが隠岐だったため、これらの話から「隠岐」という地名を知った方もいるのではないでしょうか。その歴史と深い結びつきがあるのが、黒木神社。かつて、この土地に後醍醐天皇がいらっしゃいました。
流刑という重い刑でしたが、天皇が過ごされる場所ということで御所が作られました。御所跡に神社を創建しましたが元は”黒木社”とされていて、記録によると江戸時代の中期以前から後醍醐天皇を祭神として祀っていたことが推測できるそうです。現在の呼び名である”黒木神社”とされたのは明治になってから。後醍醐天皇の伝承として驚きなのが、たった1年で隠岐を脱出することに成功していること。なんとしても都に戻るという強い意志を感じますが、このスピード感の裏側には、地元住民の協力があったとされています。伝承によると、別府近藤家の先祖が脱出される天皇を背負って美田の土地まで案内したり、美田小向の地区の先祖が天皇を自宅に迎え、庭の石で休息を勧めたり(現在もお腰掛の石として現存)したそうです。その他にも、後醍醐天皇にゆかりのある場所がたくさんありますので、黒木神社とともに訪れてみてはいかがでしょうか。また、後醍醐天皇が都を想う気持ちが表れた一句が、現在も黒木神社に残されています。ぜひ、実際に見て当時の後醍醐天皇の気持ちに思いを巡らせてみてくださいね。

おすすめポイント

個人的おすすめスポットは、黒木神社すぐそばの展望台からの景色。木々が開けた先には別府港や、お隣の海士町を見渡せます。タイミングが合えば、海の上を渡る船が見れることも。目の前の光景を切り取ると、木々が自然の額縁のようになっているのが一押しポイントです。

碧風館(へきふうかん)

黒木神社の敷地内には壁風館という資料館があります。ここでは、どのように後醍醐天皇が隠岐にやってきたのか、そしてどのような経緯で脱出することに成功したのかを、資料とスタッフの方の説明で知ることができます。お話を聞いていると時間はあっという間で、教科書で見たことのある人物名や出来事の裏側を深く知ることができます。神社を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。

 

黒木神社・黒木御所阯新しいタブで開きます
住所:〒684-0302 隠岐郡西ノ島町別府276
別府港からのアクセス
車:約2分
自転車:電動アシスト、E-bikeともに約3分
徒歩:約15分
バス:町営バス「隠岐汽船」から「御所入り口」まで約2分
碧風館新しいタブで開きますは黒木神社の敷地内にございます。

美田八幡宮

美田八幡宮の歴史

別府港からほど近い、住宅街へ続く道を進んでいくと見えてくるのが美田八幡宮。大きな鳥居と階段を進んでいくと社殿が見えてきます。元々は、美田尻の氏神として祀られていたそうですが、中世以降、武家に信仰の厚い八幡神も合わせて祀られるようになりました。その際には祭礼も賑やかに行われたと伝えられています。現在は、美田尻と大山地区の氏神として崇められています。

例大祭

そして、今年は美田八幡宮にて大きな行事が行われました。奇数年の9月に例大祭が行われ、「神の相撲」「獅子舞」「田楽」の三部で構成されています。特に「十方拝礼(しゅうはいら)」と呼ばれる田楽は、全国的に見ても屈指の芸能であるとして、県の無形民俗文化財に指定されています。田楽とは、平安時代に稲作の豊作を祈願する歌舞としてはじまり、曲芸や能の要素を取り入れて発展したものです。十方拝礼は、12名で構成されますが、2人ずつ役割があり、順番に踊りを披露します。1番の見どころは全員で踊る「総踊り」。少しずつ隊列を変えながら踊っていくのです。よく見てみると、それぞれ向いている方向が違ったり、踊りが違ったり。けれども「ザサラ」と呼ばれる道具や、鼓や太鼓が奏でる音が心地よく混ざりあっていました。
そして、”大きな行事”と表したのには理由がもう1つ。なんと25年に一度行われる神輿が今年練り歩いたのです。「25年に一度!?」と初めて聞いたとき驚きを隠せなかったのを思い出します。今年初めて西ノ島に来て、そんなに貴重な光景を見られるなんて、、、とても運がいいのかもしれません。25年に一度となると燃え上がるのが男性陣。以前、「神社特集第1弾」でもご紹介しましたが、西ノ島のお祭りといえば神輿。以前も担いでた人、25年前はまだ子どもで目の前でその光景を見ていた人、まだ生まれていなかった人、、、今回の神輿にはいろいろな想いも一緒に担がれていたのかもしれません。

美田八幡宮のお祭りを体験して

今回のお祭りを通して感じたのが「伝統のつながり」。新しい世代に紡がれていく瞬間を目の当たりにした気がしました。「神の相撲」では地元の子どもが活躍。大勢の観客を前にしても堂々とした姿に心を動かされました。例大祭を見守る周囲の観客の中には、子どもたちの姿もたくさん。きっと大人世代の方々も子ども時代をこのように過ごして、現在は伝達者として多くの人を魅了しているのでしょう。それに魅せられた今の子どもたちが次は紡いでいく、、、。こんな素敵な場面に立ち会えたことに、喜びでいっぱいです。さらに25年後は環境も状況もいろいろ変わっているとは思いますが、この伝統は変わらずつながっていってほしいなと感じます。

 

住所:〒684-0303 隠岐郡西ノ島町美田2177
別府港からのアクセス
車:約1分
自転車:電動アシスト、E-bikeともに約2分
徒歩:約5分
バス:町営バス「隠岐汽船」から「美田尻」まで約2分

御朱印

黒木神社も美田八幡宮も御朱印がございます。黒木神社については、黒木御所とのセットでご用意しています。

西ノ島町観光協会で承っておりますので、窓口までお越しください。

最後に

今回で第3弾になった西ノ島神社特集。それぞれの神社について知ると、訪れた際にさらに魅力が増していきます。お祭り等の地域行事との関連性が深く、各神社が昔から多くの人によって愛されてきたことが伝わりました。また、神社特集では御朱印がある神社をご紹介してきましたが、西ノ島には他にも神社が多くあります。西ノ島を訪れた際には、ぜひ神社にも足を延ばしてみてくださいね。