由良比女神社
由良比女神社の歴史
由良比女神社の歴史は古く、平安時代初期の842年には官弊社に預かりました。また、平安時代末期には島後の水若酢神社とともに隠岐国の一ノ宮に定められました。(一ノ宮とは、神社の社格を示す格式の一つ。昔は各地域を一つの「国(くに)」として呼んでいたため、各国の中で最も格式の高い神社のことを「一ノ宮」と呼ぶようになりました。)

緑豊かな境内は、神秘的な雰囲気が漂います。

鳥居を抜けた先にどっしりと構える本殿。春には桜に囲まれる姿も素敵です。
歴史も長く、格式高い由良比女神社ですが、江戸時代の1667年に藩命によってこの地を巡見した松江藩士によると、近世にはすでに衰退してたとされています。しかし、明治になりその由緒から社殿を新築して現在の姿になりました。
由良比女神社にまつわる伝説
由良比女命(ユラヒメノミコト)が大きな桶に乗って出雲大社から帰ってくる際、イカが戯れたり、引っ張ったり、噛みついたりしたそうです。その非礼のお詫びに、毎年、神社の正面にあるイカが押し寄せるようになったといわれ、「イカ寄せの浜」と呼ばれています。鳥居の前には、イカが押し寄せてくるのを見張る「番小屋」があるのも特徴です。

秋ごろになるとイカが大量に打ち上げられるとか、、、
他にも由良比女神社にまつわる伝説に関して書かれた看板が神社の入口にありますので、どのような伝説があったのかぜひご覧になってください。
また、イカにまつわる伝説が多いことからも、拝殿や鳥居のすぐそばの石灯篭にはイカの彫刻が施されています。ご自身の目で神社のどこにイカが隠れているのか探すのも、おすすめです。

本殿に彫刻されたイカ。参拝後にぜひ探してみてください。
見どころ
私が思う見どころは、やはりイカの彫刻です。由良比女神社に「イカ」にまつわる伝説がいくつも存在していることや、西ノ島でイカ漁が盛んなことなどが繋がっているのだと知ることができます。実際に、私自身も初めて訪れた際には由良比女神社のことを詳しく知らなかったため、イカとの関連のある神社ということも、もちろんイカの彫刻にも気付きませんでした。ですが、歴史的背景を知ってから訪れるのも興味深く、感じ方が違うように思いました。由良比女神社とイカの関連を知ったうえで参拝をすると、知らない時よりもさらに由良比女神社の魅力を感じられるのではないでしょうか。
例大祭について
由良比女神社は西暦奇数年に例大祭が行われます。今年はその例大祭にあたる年です。祭りは7月26日・27日の2日間にわたり、式典や神楽が奉納されたり、神輿が由良比女神社がある浦郷地区へと繰り出したりしました。見どころはなんといっても「神輿」。男性陣が神輿を担ぎ、浦郷地区を練り歩くのです。2年に1度の祭りのため、神輿はなかなか納められず、夜遅くまで担がれ、周囲は熱気に満ち溢れていました。私がこれまでに見てきた祭りとは全くの別もので、初めて見る光景に心が躍る2日間となりました!西ノ島ならではの文化にふれることができ、記憶に残る素敵な経験ができました。
このような光景が見られるのも西ノ島ならでは。一緒に西ノ島の歴史、文化を感じませんか?
由良比女神社
住所:〒684-0211 隠岐郡西ノ島町浦郷922
別府港からのアクセス
車:約10分
自転車:電動アシスト約30分、E-bike20分
徒歩:約90分
バス:町営バス「隠岐汽船」から「由良比女神社バス停」まで約25分
国賀神社
国賀神社の歴史

岩のくぼみに建立されている姿は圧巻です。
国賀神社があるのは、隠岐を代表する景勝地である国賀海岸。日本海の激しい海洋浸食を受けて作られたダイナミックな岩場のくぼみに建立されており、社殿は小さいかもしれませんが大地と一体になった神秘的な雰囲気が漂います。
国賀神社の歴史はまだ浅く、昭和58年に創建されました。国賀神社は西ノ島の観光の発展と安全祈願のために、地元の有志が集まって建立されたそうです。西ノ島の方々の想いがつまった神社といえますね。
毎年4月には、観光発展と安全を祈る祈願祭が行われています。また、現在の社殿は今年度修繕されたもので、地元の大工さんが行いました。

4月の祈願祭の様子。西ノ島の観光の発展と安全を祈りました。

地元の大工さんが手掛けた本殿。島全体に愛される神社です。
見どころ
国賀海岸に建立されている様子は何度見ても圧巻です。海岸の岩場に建立されている神社は西ノ島に来て初めて見たので、これまでの私が知る神社とは違う力強い印象を受けました。晴れて海が静かな時は穏やかに見守っているようで、風が吹いて白波が打ちつけている時には、その地を守るように鎮座する威厳が漂っているような感じがします。みなさまも充実した旅になることを祈願しに、ぜひ国賀神社を訪れてみてはいかがでしょうか。

奥に見えるのは赤尾展望所。島の観光地を見守っているようです。
住所 〒684-0211 隠岐郡西ノ島町浦郷
別府港からのアクセス
車:約15分
自転車:電動アシスト約40分、E-bike約30分
徒歩:約150分
バス:町営バス「隠岐汽船」から「国賀バス停」まで約30分
御朱印について
「由良比女神社」も「国賀神社」も御朱印がございます。
観光協会で承っておりますので、窓口までお越しください。

由良比女神社のみ記帳が可能です。書き置きはどちらもございます。
最後に
西ノ島に残る歴史や、文化を感じることができる神社特集第1弾。今回は「由良比女神社」と「国賀神社」をご紹介しました。他にも多くの神社がございますので、ぜひ西ノ島の神社を訪れてお願い事をしてみてはいかがでしょうか。