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特集

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隠岐の島々で自然を満喫!ジオガイドとめぐるここだけの絶景

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ユネスコ世界ジオパークにも認定される隠岐諸島。4島それぞれで希少な地形や生態系を見ることができます。ここでは、地元ライターが専門のジオガイドによる案内のもと島前エリアの中ノ島(海士町)と知夫里島(知夫村)にあるジオスポットをめぐります。

取材 河本 直起
海士町在住、25歳。神奈川県から隠岐へ移住して2年目。どうすれば島を観光で盛り上げられるか日々奮闘中。

目次

  1.  

 

まるで天然サファリパーク!知夫里島の「赤ハゲ山」

まるで天然サファリパーク!知夫里島の「赤ハゲ山」

まず最初に訪れたのが、知夫里島にある「赤ハゲ山」です。知夫里島の港、来居港からレンタカーで20分ほどで到着しました。

山頂に近づくと、放牧されている牛や馬がたくさん現れ、直接ふれられる距離で見ることができます。何頭かが車道ををふさいで車が通れないことも。まさに「天然のサファリパーク」といった様子で、大迫力です!

頂上からは、他の隠岐3島をはっきりと見ることができます。眼下には、火山の噴火によってできたカルデラ(島前カルデラと呼びます)が広がり、天気が良い日は遠く島根半島まで眺めることができます。この360°の大パノラマは隠岐を代表する美しい眺望となっており、必見です!

ジオガイドさん曰く、赤ハゲ山の正面に見える西ノ島の焼火山は山全体が信仰の対象になっていたことから、島前3島(西ノ島町、海士町、知夫村)の所有になるそうです。たまたま居合わせた島民の方も知らなかったようで、とても驚いていました。ジオガイドさんと一緒だと、地形と人の営みの「つながり」が感じられて、何倍も楽しめますね!

まるで天然サファリパーク!知夫里島の「赤ハゲ山」

知夫里島にそびえ立つ断崖絶壁の絶景「赤壁」

知夫里島にそびえ立つ断崖絶壁の絶景「赤壁」

続いて訪れたのが赤壁です。知夫里島の西海岸沿い、約1キロに渡って広がる赤壁の高さは50〜200メートル。一面に広がる赤い岩肌がとても迫力を感じさせます。なぜ赤いのかというと、噴火で吹き出した溶岩が高温のまま空気に触れて酸化したためだそう。よく見ると真ん中に色の異なる一本の線が見えますが、これは溶岩の通った道=火道と言われるもので、実際に火山の噴火があったことを物語っています。

実はこの赤壁には転落防止の柵や囲いといったものがないので、崖ギリギリまで近づくことができます。恐る恐る下を見てみると、そこにはエメラルドグリーンに輝くきれいな海が!間近で大自然を感じることができるのも隠岐のジオパークの魅力です。(※転落されませんよう、十分ご注意ください。)

そしてなんとこの赤壁では山頂から流れ出た湧き水が小さな滝のように打ち付ける様子も見ることができます!ガイドさん曰く、風が強い日にはこの滝が下から舞い上がる珍しい光景も見られるとのこと。赤壁を訪れたらぜひ、滝にも注目してみてください!

知夫里島にそびえ立つ断崖絶壁の絶景「赤壁」

鎌倉時代に活躍された後鳥羽上皇をお祀りする隠岐神社

鎌倉時代に活躍された後鳥羽上皇をお祀りする隠岐神社

お昼休憩を挟みながら、知夫里島から海士町(中ノ島)に移動。海士町の「隠岐神社」を訪れました。

鎌倉時代に活躍された後鳥羽上皇を祀った隠岐神社は、創建83年の比較的新しい神社です。なお、2022年は承久の乱に敗れた後鳥羽上皇が隠岐に配流されてから800年という節目の年にも当たります。

ここで「そもそもなぜ後鳥羽上皇はこの海士町に配流されたのか?」という質問が、ツアー参加者の方から飛び出すと、待ってましたとばかりに解説するジオガイドさん。

「当時は、配流された貴人が怨霊になって祟りを起こすことが恐れられており、罪人とはいえ、配流先でもしっかりとした生活を送ることができるかどうかが大きなポイントになっていました。海士町には火山の噴火でできた平地と湧き水があり、その平地と水を活かして、古来より盛んに米作りが行われてきたことが大きな要因だと思います。また当時都があった京都からの方角もよかったことから、配流先に選ばれたのだと思います。」

隠岐神社をめぐる800年の時を思いながらジオガイドさんの話に耳を傾ける時間で、島の大地と歴史の関係に一層の趣深さを感じることができました。

海士町随一のジオスポット「明屋海岸」

海士町随一のジオスポット「明屋海岸」

続いて訪れたのは海士町内でも随一のジオスポット「明屋海岸(あきやかいがん)」。隠岐の島町まで見渡せる、透き通るような眺望と打ち付ける波の音が癒しをくれ、夏場はキャンプ場としても人気を博しています。

明屋海岸の特徴は、約280万年の噴火によってできた屏風岩と呼ばれる岩があること。海岸沿いの崖面は溶岩で酸化して赤くなっていたり、写真のように酸化せずに黒くなった溶岩がそのまま残っていたり、噴火の痕跡や貴重な生態系を数多く見ることができます。

ちなみに「明屋」の由来をジオガイドさんに聞くと、もともと海士町の宇受賀命神社の神様と西ノ島の大山神社の神様が結婚し、出産するとなったときの「産屋」がちょうどこの付近で、そのお産が「明けた」ことから「明屋」海岸と名付けられたとのだと教えてくれました。

隠岐ジオパークでは様々な要素と大地との「つながり」を知ることができます。ジオパークと神話の結びつきもとても興味深く感じました。

海士町随一のジオスポット「明屋海岸」

海士町の溶岩大地を一望できる「金光寺山」

海士町の溶岩大地を一望できる「金光寺山」

最後に訪れたのが「金光寺山」。読み方は「きんこうじさん」と読みます。このスポットの特徴はなんといっても、写真のように火山の溶岩が流れ出たことによりできた島前エリアで唯一の平野を一望できること。この平野一帯では、湧き水のおかげもあり、古来より米作りが盛んに行われてきました。夕暮れ時には、夕焼けと海を一緒に眺めることができ、とても癒されます!

金光寺山では、標高164メートルの山の頂上で湧き水を見ることができます。ジオガイドさん曰く、昔はこの湧き水を利用して湯治が行われていたそうです。湧き水のおかげでカエルやコオロギ、また絶滅危惧種にも指定されているゲンゴロウを見ることができます。

なぜ山の頂上でありながら湧き水が出るのか、さまざまな説が唱えられていますが、はっきりしたことはわかっていません。ただこの湧き水のおかげで海士町が島前随一の米どころになり、貴重な生態系の形成につながっているのは間違いありません。

海士町の溶岩大地を一望できる「金光寺山」

<ツアー参加者とガイドさんの声>

<ツアー参加者とガイドさんの声>

最後に知夫里島と海士町をめぐった参加者の感想とジオガイドさんのコメントをご紹介します!

参加者の方
「この隠岐のジオパークは、各スポットごとのストーリーがとても明快でどれも興味深く聞いていました!冒頭でのガイドさんの説明の通り、随所に『つながり』を感じることができました。この隠岐全体の成り立ちが古来よりの生活に大きな影響を及ぼし、それが今の生活や生態系、また貴人の配流の歴史に繋がっているのだということがとてもよく分かりました。早速、地元の仲間に紹介したいと思います!」

ジオガイドさん
「隠岐のジオパークの最大の魅力は、なんといってもやはり『直接触れられる』こと。教科書でしか見れないようなもの貴重なものが、数多くあり、しかもそれを間近で観察し、触れることができる。世界中身渡してもなかなかこのような地域はないのではないでしょうか。まさに『天然の博物館』と言えると思います。その中で、ただ景色を見るだけではなく、その背後にあるストーリーをお伝えすることで、その『つながり』を感じていただければ、ガイドとしてとても嬉しいですね!」


※本ツアーへの参加をご希望の場合、お客様のご要望に合わせてご相談させていただければと存じます。こちらのツアーに関するお問い合わせやお申し込みはこちらのリンク新しいタブで開きますからお願いいたします!