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ぶらり隠岐の島。都万エリアに佇む天健金草神社を訪ねてみた

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隠岐の島町の都万エリアに存在する天健金草神社(あまたけかなかやじんじゃ)。歴史ある神社の神主古木氏に話を聞きつつ、ぶらりと神社を回った。風光明媚な景観を見て、あなたも故郷を感じてみてはどうだろうか。

取材・柴田 哲朗(しばた てつろう)
神奈川県出身。三年前から隠岐の島町在住。エンジニアとして働いていたところ、隠岐の島に地域おこし協力隊として就職した友人に誘われ、同じく地域おこし協力隊としてUターン。現在はゲーム会社とドット絵の取引をしたり、港近くでボードゲームカフェを経営したりしている。

隠岐の島町に都万(つま)地区という場所がある。
丸い形をした隠岐の島町の、左下のエリアのことだ。

天健金草神社はそのエリアにひっそりと存在している。
田んぼに囲まれた道路を曲がり、舗装された道の脇に立派な鳥居が立っていた。




鳥居の脇には神社の見どころを丁寧に紹介する看板が立っていた。

隠岐ユネスコ世界ジオパークに認定されている隠岐の島では、看板ひとつ見ても四か国語(日本語、英語、中国語、韓国語)を採用している場合が多く、外国人観光客も安心して情報を得ることができる。


特に天健金草神社は歴史が古く、二人の天皇が参拝したとされている。

数々の伝説を持っているにも関わらず、認知度が高くない場所だと聞き、私はもったいないと感じていた。今回はそんな天健金草神社の神主である古木氏にお話を聞かせていただいた。

――天健金草神社にはどんな人が来ていますか?

正直、人はあまり来ないね。(笑)
たまにご参拝のお礼をすると観光に来た人というよりは、全国の神社仏閣を巡っている方が多い印象。天健金草神社に御朱印帳のようなものはないけど、横の自宅へ来ていただければ御朱印はあるよ。

――どんなところが魅力だと思いますか?

謂れが古いところだが、あまり人に知られていないかな。一度焼けているため、証拠品となるものが残っていないからね。村社から郷社に昇格する際、帳簿につけていた仏像が見つかったこともある。ただ、神社に仏像があるのはおかしいため、実際には天健金草神社のものでない可能性もあるらしい。

――現在隠岐では神主不足ですがどう思いますか?

とても大変。隠岐には神道の方が多く、冠婚葬祭の葬儀部分が多いね。
現在は私の持ち神社が八社あるため、全部の氏子さんをカバーするのは困難。氏子さんの数もさまざまで、お祭り関係の仕事もある。後継者がいないのも問題。やはり一番いいのは一社に一人の神主という体制だと思うからね。

――どんな人に興味を持ってほしいですか?

記事を見ている方々は隠岐に興味を持っている人だと聞いたので、隠岐へ観光に来る人たちに少しでも神社へ興味を持ってもらえたら嬉しい。今まで知られていなかったため、最近は隠岐高校の生徒さんに協力して、神社の歴史を調べてもらい、発表してもらうなど周知をしている。


古木氏にお話を伺った後、実際に本殿まで階段を上がった。
今まで神社仏閣とは無縁の生活をしていたが、天健金草神社には圧倒される。

背の高い木々の合間を通るように階段をあがっていくと右手には牛突き場が見える。現在はほとんど使用されていないが、大きな大会の際には牛を連れてお参りに来る人たちがいたようだ。


並び方に味のある石段を登り終えると、大きな本殿が見えてくる。

周囲をぐるりと木々に囲まれており、見上げるとちょうど丸く空が見えた。




深呼吸した後、正面のお賽銭箱にお金を入れた。

実はこのお賽銭箱にもひとつエピソードがある。
インタビューとは別に古木氏と雑談している際に聞いた話だ。


なんとこの大きな賽銭箱、盗まれたことがあるらしい。

賽銭箱ごと持っていき、裏の山に空の状態で捨ててあったのだとか。文字通り罰当たりな盗人だが、こんな大きなものを持っていくとは信じられない。

そのバイタリティを何とか活かしてほしいものだ――。そう考えながら帰路についた。